稲田堤には京王線と南武線の2本が通っている。
この2本をつなぐ通り、南側はお店が多く立ち並び、行き交う人を誘惑する。
その通りから少し脇へそれた道にぽっかりと佇む店。
メイン通りの明るい光を背にし、小さな心細さを覚えつつも思い切って扉を引く。
そこには、メイン通りに負けない明るさを持った店のスタッフと常連達の笑い声が広がっていた。
さてまずは一杯。
泡盛 琉球クラシック古酒をロックで。
カラッとした口当たりだが、泡盛的なクセも感じられる。
古酒らしいまろやかさが無く、けっこうアルコールの当たりが強め。
風味も弱くてなんだかなーと思いつつちびちびやってたのだが、氷が溶けて薄まってくると急に甘味が出て丸みを帯びる。
ヤンキーが更生して真っ当な社会人になったみたいでびっくりする。
味わいの変化を楽しむタイプでなければ、最初から割って飲んだほうがいいかも。
あと、お通しのイカ塩辛がなにげにうまい。
塩辛にしては少し塩味が控えめ、キモの風味が強い。
そしてねっとりとした熟成感。手作りなのではないか。
さっぱりしつつもアタリの強い泡盛によく合う。
厚揚げ納豆。
外はパリッパリ、中は絹のふわふわ感。
豆腐に味付けはされていないのだが、納豆が醤油ベースに漬け込んであるのかな?
豆腐と納豆をあわせて食べると良い塩梅。
恐らくこのパリパリ感を最大限活かすための構成なのだろう。
とり天。
サクッと揚げられつつ中はしっかりジューシー。
そこまでひどくないけど、油がちょっとヘタり気味?
マヨネーズとコチュジャンみたいなソースが添えられるが、元々うっすらとした塩味が付いており、シンプルな味の泡盛にはこのまま食べたほうが相性良い。
とり天といいつつ、唐揚げに近いかなー。
本日のメインにして店一番のウリ、モツ鍋。
醤油、味噌、塩ベースのダシから選べるのだが、ここは王道の塩で。
店のスタッフがきちんと鍋の管理をしてくれるので、出来上がるまではDon’t touch!
モツは臭みがなく、もっちりした身にふんわり脂身。
丁寧な下処理をしているのだろう。
そしてスープ。ダシと野菜の旨味に、唐辛子とにんにくの風味が絶妙に配合。
そこへ臭みのないモツの脂が加わってもう、言うことなしである。
デザートというわけではないが、明太卵焼き。
ほどよく空気を含みくるまれた卵焼きに、生の明太子がずぼっと入っている。
卵はほんの僅かに半生っぽい部分があり、絶妙な火入れに感心。
中の明太子はそこそこいいもの使ってるのでは?
まとめ
総評として、食材の質はまあ普通なんだけど調理の腕で大きく補っている。
メインターゲットが地元客だろうし、これは正解だね。すごく安い。
この店に来たのなら、モツ鍋は是非食べておきたい。
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